嫁入りする時に着物を持たされて、長年タンスの肥やしになっていらっしゃる方も多いかと思う。
実は私もそうだった。
そもそも自分で着れないものがタンスの中にあるのはいかがなものか・・・。
という訳ではないが、せめて浴衣くらいはちゃんと着たいな、と思っていた頃
何かの広告で「浴衣コンテスト」を見つけた。
優勝すれば、着付け教室にお安く行ける権利もついてくる。
ミセス部門もある。
コンテストの日程も調整できそうだったので、ここはトライ。
恐れ知らずである。
コンテストのために浴衣は用意したのだが、
実際はうまくは着られない。
が、
着物屋さんも商売上手、
『大丈夫、当日はサービスで着せてあげるわ』と言われて
とってもかっこよく着付けてもらった。
それでもコンテストなので、ひとりひとり、しゃなりしゃなりと出ていって自己紹介。
私は着慣れていないので、そんなに着物が板についていなかったと思う。
が、
なぜか審査通過。
ミセス部門で5人くらい残ったかな。
最終選考は名古屋城祭りのイベントとして行われた。
その日は遊び半分、冷やかしのつもりでに出かけていったので、身内も知らず
ワナワナとした気持ちで発表を待つと・・・・
な、なんと選ばれてしまった。
ミセス浴衣~!。

ミセス浴衣
そして、このご褒美をいただき、
私は週一で半年間着付け教室へ通い、そこそこ着られるようになった
そうなると着物が着たい、
自分の選んだお気に入りを着たいということになる
着物は一度はまると麻薬的。着物屋さんにとってはいいお客。
こうして私の着物は増えていき、当然よく着るようになった。
持っている着物はすべて紬。
紬はいい。洋服感覚で楽しめる。
一番のお気に入りが黒地にネコの柄。

ネコの紬
紬の良さを生かして、袖は糸がほつれたような工夫。
何とも味わいがある紬。

ネコの紬の柄
手書きで猫が演奏している絵柄がはいり、袖には音符、チラッとみえる裏にはト音記号。
帯にはやっぱり音符と猫の足跡。
見えないところまで気を配り、ストーリーのある着物は洋服ではなかなか味わえない。

音符の着物と帯

音符の着物の裏
着るとこんな感じ。これもお気に入り。
一時の麻薬的な着物の買い物は今は一段落。
もう10年以上も前のお話だが、
いくつになっても、着れる色柄。
そして、体形をカバーできる。
困った時には着物を着る昨今なのだ。
着物、好きです。