第5話の中学時代の狼さんの話を引っ張ると、彼は野球部だった。
そして私はバレーボール部。
中学に入ると部活動は必須入部で何かに所属しなくてはならなかった。
いろいろ見て回った。テニス、バスケット、体操、卓球、吹奏楽…
その中で、なぜか私はバレーボールを見た時に「ピーン」ときた。
これこれ、これだ!
東京オリンピックの時に大活躍をした女子バレーボールは「東洋の魔女」と呼ばれ
そのブームにのって「アタックナンバーワン」とか「サインはV」といった漫画が人気になり
小学校の頃愛読していた私は、すんなりブームにのっかったわけだ。
私は、生まれて初めてスポーツらしいスポーツをするのが楽しくてしようがなかった。
先生やメンバーも良かったせいか、練習も全然苦にならなかった。
好きこそものの上手なれ、ということで私はけっこう上手くなったと思う。
あの頃は9人制だったので、私はそこそこ背も高かったこともあってセッターを担った。
この名セッターのおかげ?でチームは強くなって、なんと郡大会で2位という好成績を残した。

中学の時、名セッターだった?
そうそう、話は最初に戻るが、その頃バレーボールは屋外の部活。
その向こうで狼さんの野球部が見える。
ファーストを守っている狼さんは、バレー部の一番近くにいて、
稀にバレー部の方へ飛んできたボールを、待ってました、とばかりに拾って渡すのは、
部活の密かな楽しみでもあった。
中学の思い出といったらこの部活動につきる。

バレーボール大好きな頃
後は何をしていたか…。
勉強も嫌いじゃなかったけど、確かに授業がおもしろかった。
とくに数学、先生の教え方が良かったのだと思う。
その中でも方程式とか証明問題は大好きだった。
ひとつひとつ分析して考える力は、このあたりで付けてもらった。
ただ思えば、どの教科も面白く、多分かなり優秀な教師陣だったと
今になって思う。
唯一苦手は社会科…中でも歴史が頭に入らなかった。
「由美さん、なんで社会は苦手なの~」と社会の先生から冷やかされて
まさか、先生が苦手…とは言えなかった。
こうして中学の3年間は、淡く楽しく過ぎていく。
家と学校と歩いて20分の田舎の中学。
そして高校はちょっとだけ町に出る。
私はそこでデビューする。