自分史 第5話 第一章 生まれた街で 赤ずきんちゃん気をつけて

自分の歴史

小学校の記憶はあまり楽しい記憶はない。

いたずら小僧にいじめられるし、高学年になってからは、仲良しのはずの女の子から突然「絶交!」と言われて仲間外れにされるし・・・

でも、とりあえず周りからの信頼はあったようで、どの学年でもクラス委員を仰せつかっていた。

先生からはまずまず可愛がられたし、まじめに授業を聞くから成績も良かった。

 

クラス委員は男女一人ずつ。

2年の時一緒に「赤ずきんちゃん」を演じ、その時狼さんになった男の子も学級委員をよくやっていた。

一緒にクラス委員をやったこともある。

彼は何をやらせてもデキル子で見た目もそこそこ、私には眩しい存在だった

6年の時だったろうか、彼がちょっと指にケガをして、その時保健係りだった私はドキドキしながら指に絆創膏をしてあげたという淡い記憶がある。

小学校6年生の時

小学校6年生の時

 

その後私たちは同じ中学へ進む。

ずっと何となく二人とも意識をしていたのだと思う。

 

3年の時だったろうか、デートに誘われた。

うん、多分生まれて初めてのデートだった。

覚えているのは、電車に乗って映画を見に行ったこと。

そして電車の中で渡されたのが「赤頭巾ちゃん気をつけて」という芥川賞受賞作の本だったこと。

一斉風靡した庄司薫の作品だ。

『これ読んでみてよ、おもしろいよ』って渡されたと思う。

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2012年再び新潮文庫から出版されたもの

学生運動のあおりをうけ東大入試が中止になった薫くんと、幼馴染の由美ちゃんとの関係は、楽しく淡くそして最後は胸キュンなのだ。

そう、主人公薫くんの彼女の名はなんと「由美」ちゃんなのだ。

憧れの狼さんが、赤ずきんちゃんに本をあげた、その本が「赤頭巾ちゃん気をつけて」なんて。

いや・・・今思えば、でき過ぎた話。

その頃、その本の文体が私には難しかったと思う。

それに引き換え、彼は、おりこうでおませだったんだ。

観た映画は「小さな恋のメロディ」だったのかな・・・

これも、でき過ぎ。

 

本当に、今振り返って分かる彼の思い。

その思いは残念ながら組み取れなかった愚かな私。

 

彼は別の高校に行き、当時予告していたように早稲田を中退しマスコミ関係の仕事に就いたらしい。

ただ一つ予想できなかったのは、中学の私の親友と結婚し、離婚したらしいこと。

 

そりゃないよね。

 

でも「赤頭巾ちゃん気をつけて」は今でも愛読書だ。

 

 

 

 

 


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