昭和生まれ令和を生きる  第二話 デザインとはコミュニケーションSDGsのデザイナーのお話

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ヤーコブさんとOPP協議会の大場さんと

情報を届ける仕事をしている中で、デザインの重要性は分かっているつもりだったが改めて感動したお話だった。

 

美しいSDGsのアイコンをデザインしたヤーコブ・トロールベックさんのお話しはとても興味があって以前から聴きたかった。

その機会に恵まれて、スウェーデン大使館まで行ってきた。

ヤーコブさんのお話は当然英語で、同時通訳された。

よって、細かいニュアンスまで呑み込めていないけど、その穏やかでゆっくりとした口調は、一つ一つの言葉を選んで、その重みを感じさせた。

 

ヤーコブさんとOPP協議会の大場さんと

ヤーコブさんとOPP協議会の大場さんと

こんなお話だった。

2014年の国連から彼に届いた文章はとても難解だった。現に日本語に訳されてもすぐには理解できないのは皆さんもご存じだと思う。

それをまず彼は何度も何度も読んで、重要な言葉を選んだそうです。

例えば

Goal 15: Life on land

陸の豊かさを守る

は、英語では

Protect, restore and promote sustainable use of terrestrial ecosystems, sustainably manage forests, combat desertification, and halt and reverse land degradation and halt biodiversity loss

日本語では、

陸上生態系の持続可能な利用の保護、回復、促進、森林の持続可能な管理、砂漠化防止、土地劣化の防止と回復、生物多様性の喪失の防止

 

これって、英語でも日本語でもとても分かりにくい。

彼は話の中で「複雑さは良いが、私たちはそれを変えていく」と言っている。

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ゴール15は「地上で生きていくこと」に他ならないわけだから

「Life on land」

ヤーコブさんの選んだ言葉は実にシンプルになった。

 

ここで、SDGsの日本語訳は少しニュアンスが違う。英語はその目標のあるべき姿を言い切っているが、日本語は「陸の豊かさ守る」と行動になっている。

それは、どの目標も同じで、英語は2030年のあるべき姿、日本語はそれに向けての行動になっている感じ。

 

例えば、Goal 1の「 No poverty」「貧困はない」から「貧困をなくそう」になっていたりと。

 

日本人と欧米人の考え方の違いが出ていますよね。

ここから変えていこうとする日本人と、ここに向かっていこうとする欧米人と…日本人の少し苦手な発想の仕方。

バックキャスティング、どこへ行くかまず決める。そしてそれに向かって進む。

 

そして次にヤーコブさんは、そのシンプルになった言葉をビジュアル化した。

その過程も色々なスケッチを繰り返し、今のデザインになっていった。

デッサンいろいろ

デッサンいろいろ

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意味のないものはどんどん削ぎ落とされてシンプルになった。

 

ビジュアル化の次はブランド構築。

このアイコンを見て行動を起こしてもらう。

17の目標は何について取り組むべきかを示しているが、何をするかは伝えてない。

それは、その後に続く169に詳しくある。

たとえば

Goal 15.5

 Take urgent and significant action to reduce degradation of natural habitat, halt the loss of biodiversity, and by 2020 protect and prevent the extinction of threatened species

自然の生息地の劣化を減らし、生物多様性の喪失を止め、2020年までに絶滅の危機に瀕した種の絶滅を防ぎ、防止するために緊急かつ重要な行動を起こす

 

これをシンプルにすれば

Protect biodiversity and natural habitat

生物多様性と自然生息地を守る、だ。

 

ヤーコブさんは結局169すべてのアクションをアイコンにした。

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すごい!

ご本人はそんな169もデザインできるのかと思われたから、自分は頑固だから作ってしまったと謙遜されていた。

 

こうして、17の目標、169のターゲットすべてのアイコンがデザインされ、それが人々に行動を起こさせるきっかけとなった。

169のアイコン

169のアイコン

まさに、今回のセミナーではっきり言われたように

Information ≠ communication  

デザインとは情報を届けることではなくコミュニケーションだということ。

 

そして、ビジュアル化されたことによってSDGsは世界共通言語となり、万国旗のようにアイコンを見ただけでそれを理解できるようになった。

 

デザインって面白い、と改めて感動したお話だった。

この共通言語が自分の社内から社員から、どんどん広がっていくのもワクワクすること。

とはいえ、持続可能な社会は、いつもいうように持続可能な会社からなのだ。

持続可能社会への活動が持続可能な会社経営につながるように考えていきたいと思う。

 

そうそう、このヤーコブさんに教えていただいた

「SDGs5.4」を読むと

「無報酬の育児・介護・家事労働を認識・評価する」

 

とある。ヤーコブさんは、これで奥さまとちよっとしたトラブルになると苦笑い。

なるほど、SDGsには家庭円満になる方法もかいてあるわけだ。

家事や育児を一緒にしましょうね。

読み込んでみると面白い発見あり。

 

その日、ヤーコブさんの後は、日本を代表するサステナブルを考える企業がセッション。イオン、イケア、マルハニチロ、三菱ケミカル、テトラパックサーキュラーエコノミー。

どんな企業も企業一つの力ではどうにもならない。

そしてSDGsの17の目標も、単独で成り立つことはない。

それらの相乗効果があってこそ進んでいける。

アライアンスパートナーとして、協力していこう。

という話しで閉会。

 

とても有意義な日本のスウェーデンでの一日となった。

 ちなみに途中休憩はスウェーデン語でフィーカというコーヒーブレイクタイム。

終了後はネットワーキングレセプションで軽食。

すべてがおしゃれ感満載の時間だった。

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